「書道の師範代になるの、

マジきつかったからね!!」

シェアハウスのキッチンで晩御飯を食べていると、隣から聞きなれない単語が飛び込んできた。

「先生がOKって言うまで、延々と書かされた!」

「(両手を広げ)こんなデカい紙に書かないといけない!」

など、自分が生きてきた世界とは全く関わりがなかった書道の世界の話に思わず、聞き耳を立てた。

「もっと詳しくその話を聞きたい!」と、私は思い切って声を掛けてみた。

突然のインタビューにも関わらず、彼女は快く受けてくれた。

本名を出すわけにはいかないので、彼女の雅号である**「恵琳(けいりん)」**さんで呼び名を統一しようと思う。

恵琳(けいりん)さんは、今年で27才だという。アニメのキャラクターが大きくプリントされたTシャツを着ていた。

以下、恵琳(けいりん)さんが書道の師範代になった経緯である。

「正直、習字は好きではありませんでした」

書道に師範代になると、書道教室の冊子にコメントを書くことができるのがだ、

恵琳(けいりん)さんのコメントの書き出しはこのように始まる。

「習字の何がいいのかわからなかった。全然、楽しくなかったです。」